2025-02-04

面積8。

 【 問題 】5年生向け


三角形ABCは、AB=5cm、BC=3cm、CA=4cm、の直角三角形です。

三角形ABCを頂点Cを中心に、頂点BがAB上にくるよう時計回りに回転させました。

頂点Bが動いたあとの点が点B’、頂点Aが動いたあとの点が点A’です。

(1) AB’は何cmですか。

(2) 三角形B’AA’の面積は何㎠ですか。


【 解答 】

たくさん中身が詰まっていて勉強になる、5年生で必ず触れておきたい問題の1つ。では、いきましょう。


図形を回転させる問題で鉄則がある。


鉄則7.

動かす前と動かした後は長さが同じ

⇒ 二等辺三角形ができる


問題でいうと、CB=CB’、CA=CA’のことだね。

こんなの当たり前のことかも知れないけど、算数で不本意な点数結果の子ほど当たり前を確認して欲しい。


直角三角形についても1つ鉄則を挙げておく。


鉄則8.

直角三角形(短辺=a、長辺=b)の90°から対辺に垂線を引く

⇒ 斜辺は a×a:b×b の長さ比に分けられる

(下図参照)



これも当たり前なんだけど、鉄則までもってく。

それでは、問題に入ろうか。


(1)

△CB’Bは、CB'=CBの二等辺三角形だ。

ここで先に確認しておくと


△CB'Bと△CA'Aは相似


になる。

なぜなら


∠B'CB

= 90° - ∠ACB'

= ∠A'CA


頂角の等しい二等辺三角形は相似だね。

相似比は、BC=3cm、AC=4cm、だから3:4だね。


CB=CB’=3cm

CA=CA’=4cm

∠B'CB=∠A'CA


きちんと確認する。


次に進もう。


二等辺三角形の底辺の長さが絡んでる場合には垂線を引くんだった( Read more » cf.面積1 )

CからABに垂線を引く。すると、次のような感じになる。



できました☆


CB:CA=3:4

⇒ BD:AD=3×3:4×4=9:16


BD:AD=9:16

BD=B'D

⇒ AB’:B'D:DB=7:9:9

⇒ AB':B'B=7:18


AB':B'B=7:18

⇒ AB' = 5cm × 7/25 = 1.4cm


よって、答えは1.4cmとなる。


(2)

もう1度、図をよく見て見よう。



△B'AA’の面積を出すにはどうしたらいいか。


△B'AA'の面積

= 四角形AB'CA'-△A'CB'

= △AB'C+△CA’A-△A'CB'


△AB'Cの面積はもう出てる。

△CA’Aの面積はどうやって出せばいいのか。


△CA'Aと△CB'Bは相似で相似比は4:3


相似比が4:3であれば面積比は16:9、△CB'Bの面積に×16/9をすれば△CA'Aの面積になる。


△CB’Bの面積

= 3 × 4 × 1/2 × 18/25 = 4.32㎠

△CA'Aの面積

= △CB'Bの面積 × 16/9

= 4.32㎠ × 16/9 = 7.68㎠


できました☆


△AB'Cの面積

= 3 × 4 × 1/2 × 7/25 = 1.68㎠

△CA'Aの面積

= 7.68㎠

△A'CB’の面積

= 3 × 4 × 1/2 = 6㎠


△B’AA’の面積

= △AB'C + △CA'A - △A'CB’

= 1.68㎠ + 7.68㎠ - 6㎠

3.36㎠


他の解き方も見てみよう。


△B'AA'は直角三角形


∠B'AA'=90°、図を見てすぐに気がつけると良いね。


∠CBB'=∠CAA’

∠CBB'+∠CAB'=90°

⇒ ∠CAA’+∠CAB'=90°

∠B'AA'=90°


だから、AB'=1.4cmとわかってるから、高さのA'Aを出してあげればいい。

△CA'Aと△CB'Bは相似で相似比は4:3だったから


B'B=5-1.4=3.6㎝

A'A=B'B× 4/3

⇒ A'A = 3.6㎝ × 4/3 = 4.8㎝


△B'AA'の面積

= 1.4 × 4.8 × 1/2 = 3.36㎠


となる。

ちなみに、△B'AA'は7:24:25の直角三角形なんだね。


さらに、もっと言うなら、∠B'AA'=90°とわかるのであれば、A'AはCDの2倍の長さだから


△B'AA'の面積

= △AB'Cの面積 × 2

= 1.68㎠ × 2

= 3.36㎠


と出すこともできる。解き方としてはこれが一番速いと思う。


解き方は色々とある、どれがではなくどれもが大事。

大事なことがいっぱい詰まってる問題だから、よく見てよく考えて自分のものにしてしまおう。


よって、答えは3.36㎠となる。


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2025-02-03

面積7。

 【 問題 】4~5年生向け

四角形ABCDはADとBCが平行な台形です。

点Eと点Gは台形ABCDの辺上にあります。

点EはABの中点、DEとGBは平行、ECとGBの交点を点Fとします。

四角形DEFGの面積は70㎠、三角形FBCの面積は90㎠、AD=10㎝です。

台形ABCDの面積は何㎠ですか。また、BCの長さは何㎝ですか。


【 解答 】

中学受験での面積や場合の数は大学受験でもかなり役に立つから、欲張ってあれもこれもやってみよう。

この問題も6年生になったら頭の中で補助線を引いて解き方を目で追えるようにね。では、いきましょう。


大事な点が2つ。


AE=EB

DEとGBが平行


平行があれば相似を疑う。ADとBCも平行、DEとGBも平行、平行と平行がある、ここをきちんと押さえる。

ここで台形についての鉄則がある。


鉄則6.

AE=EBのとき、三角形DECは台形の面積の半分


当たり前なんだけど、鉄則まで高めておく。

つまり、△DECの面積×2で台形の面積が出せる。


問題に戻ると、AD=10㎝とAE=EBがわかってるから、ここから絡めて相似を作っていく。

△EADをEを中心にくるっと回転させて下に持ってくる、そう、EAをEBに重ねてあげる。

すると次のような感じになる。




平行と平行が重なって一気に色々とわかる。

△AEDと△BEHは合同だから、DE=EHだね。

すると、DHとGBは平行だから、GFとFBもGF=FBになる。

そう、CEは△CDHを1:1に分ける線なんだ( Read more » cf.面積2 )


GF=FB

⇒ △CGFの面積=△CFBの面積

△CGFの面積=90㎠


できました☆


台形の面積は△DEC×2だから


台形ABCDの面積

= △DECの面積×2

=(70+90)× 2 = 320㎠


となる。

続いて、△DECと△GFCを見る。 


△DECの面積:△GFCの面積

= 70+90:90

=16:9


面積比がわかると相似比がわかる。


△DECの面積:△GFCの面積=16:9

⇒ △DECと△GFCの相似比は4:3

⇒ DG:GC=EF:FC=1:3


DG:GC=EF:FC=1:3

HB:BC=1:3


AD=HB=10㎝だから


AD=10㎝

⇒ BC=10×3=30㎝


となる。

押さえるべき点は


△DECの面積=台形ABCDの面積×1/2

DE=EH ⇒ GF=FB

平行があれば常に相似を疑う


この3点をしっかりとだね。

習うより慣れろの側面はあると思う。なかなか大変だけど、大学受験まで使えると思えばお得に感じられない?

中学受験はやりようによっては多くの子にチャンスがあるはず、ここは頑張った方がいい!


よって、答えは台形ABCDの面積=320㎠BC=30㎝となる。


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2025-02-02

面積6。

 【 問題 】4~5年生向け

図の三角形ABCはABとACの長さが等しい二等辺三角形です。ADとDBの長さが等しいとき、直角三角形CDEの面積を求めなさい。


( 2025 東海中学 大問7 )

【 解答 】

2025年東海受験組、お疲れさまでした。

もう日付も変わった、簡単だったとか難しかったとか、そんなの関係ないから。

やり切った感があるかどうかが大事。

悔いがないなら今のまま努力を継続すればいいし、もしも悔いが残るなら、中学生になってから心機一転、気持ちを改めて頑張ればいいんだよ。

手も足も出なかった子がいたら、もうね、そんなの大人のせいにしちゃいなよ!。正しい努力の仕方を教えてもらってなかったんだよ!


みんな一緒、やるぞ!!!と決めたときがスタート、いつからでも頑張れるから。


では、さくっと概観します。


今年の東海は文章題が少なかったね。速さの出題もなし。


大問2、4、7の面積はどうだろ。

大問2は、過去問をちゃんと教えてもらえた子は余裕だったかも。

大問4は、若干作業が細かいもののみんな見たことのある典型問題だったかな。

大問7は、単純問題ではあるものの合否分け(ないし加点)では。


例年みたいに抜きん出た問題がなかったから、算数得意な子は過去問よりは良い点数が出せたかもね。


大問7をさくっと簡単に解説しよう。


4+8=12

12× 3/2=18㎠


等脚台形の対角線直交問題。


等脚台形 ⇒ 対角線直交 ⇒ △CDEにも相似


Dから右にBCとの平行線を引いて4cm、あとは45°に着目しながら、台形に対角線を引けば完成です。


Dから右にBCとの平行線を引いて4cm、これはみんなやったはず、そこからもう1本引けるかどうか。見たことある形に持ち込めるかどうか


対角線が直交するが大事(小学校でも習う三角形の合同も大事)、この対角線直交の等脚台形は触れたことがある子も多いはず。


きれいにコンパクトにまとまった良問だと思います。


あまり難しすぎてもね、対策が大変になるし。これくらいで十分差がつくと思います。このレベルが定着した方が東海にとっても受験生にとってもプラスでは。


多くの子はまだ滝が残ってるね、最後の力を振り絞って頑張って!!!


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2025-02-01

面積5。

 【 問題 】4~5年生向け


四角形ABCDは長方形で、点E・点F・点G・点Hは長方形ABCDの辺上にあり、長方形ABCDの面積はHE、HF、HGによって4等分されています。
AH=7.5cm、DG=8cm、BE:GC=3:2です。
長方形ABCDの面積は何㎠ですか。


【 解答 】

前回と数字も全く同じ問題なんだけど設定を変えてみた( Read more » cf.面積4 )。では、いきましょう。


△HEFの情報がないから、前回みたいに三角形からは攻められない。


鉄則5.

長方形の面積を一直線で二等分する

⇒ 2つの図形は合同になる


HFで長方形は二等分されてる。ということは、台形ABFHと台形CDHFは全く同じ図形、そう、合同だね。


AH=FC=7.5cm


続いて、台形ABEHと四角形HFCGに着目する。


台形ABEHの面積=四角形HFCGの面積

△AEHの面積=△HFCの面積

△ABEの面積=△HCGの面積


BE=③、CG=②とすると


△ABEの面積=△HCGの面積

⇒ ③×AB× 1/2=②×HD× 1/2

AB:HD=2:3


となる。そう、逆比だね。

ここまでとここから先をまとめると下のような感じになる。



上の図を見ながらいこう。

△HEFの面積=△HGDの面積

ここに着目する。


△HEFの面積=△HGDの面積

AB:HD=2:3

EF:DG=3:2


となる。そう、またまた逆比だね。


EF:DG=3:2

DG=8cm

EF=8× 3/2=12cm


となる。


できました☆


台形ABEHの面積=△HEFの面積

⇒ 上底 + 下底 = 底辺

⇒ AH + BE = EF

⇒ 7.5 + ③ = 12cm

⇒ ①=1.5cm


BE=③=4.5cm

EF=12cm

FC=7.5cm

BC=4.5+12+7.5=24cm

DG=8cm

GC=②=3cm

DC=8+3=11cm


長方形ABCDの面積

= たて × 横

= DC × BC

= 11cm × 24cm = 264㎠


となる。

設定条件が変わっても考え方は同じだね。

押さえて欲しいのは


AH=FC

AH+BE=EF

EF×2=BC

三角形の面積が同じ ⇒ 底辺と高さは逆比


これらは図形の基本といえる、しっかりと押さえること。

よって、答えは264㎠となる。


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