2024-12-14

ニュートン算2。

 【 問題 】5年生向け

一定の割合で水が入ってくる池があります。この池の水を抜くためにポンプを使います。池の水をすべて抜くのにポンプ6台だと24時間、ポンプ8台だと16時間かかります。では、4時間で池の水をすべて抜くには最低何台のポンプが必要ですか。但し、ポンプの性能はすべて同じものとします。


【 解答 】

前回記事のニュートン算とまったく同じなので前回記事を参照して見比べながら、算数的思考を体感して欲しい。ニュートン算が出題されたら「よしっ!」と思えるようになろう。では、いきます。


6台 ⇒ ②×24h=㊽

8台 ⇒ ③×16h=㊽


②=ポンプ6台が1hに減らす元々の池の水の量

③=ポンプ8台が1hに減らす元々の池の水の量

㊽=元々の池の水の量

②と③は24h:16h=3:2の逆比だったね。


ここで差を見る、2台増えたら処理能力が①増えたんだ、そう、③-②=①がポンプ2台が1hにくみ出す水の量(性能)になる。ポンプ2台=①、なんだから、ポンプ6台=③、ポンプ8台=④になる。


6台=③ ⇒ ②×24h=㊽

8台=④ ⇒ ③×16h=㊽


あれ、おかしい、ポンプ6台で③の水をくみ出しているはずなのに元々の池の水は②しか減らせてないし、ポンプ8台で④の水をくみ出しているはずなのに元々の池の水は③しか減らせてない

そうなんだ、③-②=④-③=①は1hに池に入ってくる水の量ってことなんだね。

まとめると


ポンプ2台が1hにくみ出す水の量(性能)=①

1hに池に入ってくる水の量=①

元々の池の水の量=㊽


できました☆

4時間で元々の池の水を全部なくせばいいのだから、ポンプが1hにくみ出す水の量を□とすると


(□-①)×4h=㊽

⇒ □-①=⑫

⇒ □=⑬


①=ポンプ2台、だから、⑬=ポンプ26台、きれいに並べてあげると下のような感じ。


  6台=③ ⇒ ②×24h=㊽

  8台=④ ⇒ ③×16h=㊽

26台=⑬ ⇒ ⑫×  4h=㊽


よって、答えは26台となる。



~ 算数を教えるにあたって ~

本質的な解き方、筋道がきれいな解き方、記憶に残る癖のある解き方、その子ならではの特別な解き方などなど再現性(汎用性)の高い解き方を小学生に提示して、自走できるまでは伴走してあげないといけない。相当な程度までのパターン化反復演習も必要になってくるかもしれない。明らかに上を行ってる頭脳集団を想定しているわけではない、ごくごく普通の標準的な子を想定してるんだ。

小学生にしろ中学生にしろ、成績が良くない子たちに僕は言いたい、責任は君たちにもあるけど決して君たちだけの責任ではない、君たちの周りの大人たち、お父さんやお母さんや塾の先生や個別指導の先生や家庭教師の先生にも相応に責任があるはずだ。

1人の力で乗り越えられるほど昨今の中学受験は優しくはない、あまり自己責任を声高にしないで、みんなで力を合わせて悔いのないように全力を尽くそう。


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ニュートン算1。

【 問題 】5年生向け

ある牧場では草が毎日一定の割合で生えます。この牧場に牛を25頭入れると10日で草がなくなり、30頭入れると8日で草がなくなります。では、牛を10頭入れると何日で草がなくなりますか。但し、牛1頭が1日に食べる草の量は一定とします。


【 解説 】

ニュートン算は複雑怪奇な特殊算と言われるけど、実は全然難しくない、パターン化できちゃうからね。塾で下のクラスの子なんかだとそれっぽい図だけを書いて終わってしまうことがあるけど、もったいないね。図を用いて解説されることが多いけど、ここでは図は使わずに逆比でやってみる。ニュートン算が苦手な子、ニュートン算を諦めてしまった子、これからニュートン算を得意になりたい子、頑張ろうか!

では、いきましょう。


先に式をざっと書いちゃうね。


25頭 ⇒ ④×10日=㊵

30頭 ⇒ ⑤×  8日=㊵


元々生えていた草を、10日でなくす、8日でなくす、ここに着眼して立式した。

毎日生えてくる草の量はとりあえず放っておいて(隠れてるよ!)、10日で、8日で、元々生えていた草をなくしたと考える。

上の式の④と⑤は10日:8日の逆比なんだ。

牛25頭だと元々生えていた草を1日あたり④の量を減らす、牛30頭だと元々生えていた草を1日あたり⑤の量を減らす。

すると、④×10日=⑤×8日=㊵となり、この㊵は元々生えていた草の量だ。


牛25頭のとき、元々生えていた草を1日あたり④の量を減らす

牛30頭のとき、元々生えていた草を1日あたり⑤の量を減らす

元々生えていた草の量は㊵


この④と⑤の差の①は何だろう?そう、牛がたくさんいる分だけ1日に減らせる草の量が増えたんだ。つまり、⑤-④=①は牛5頭(=30-25)が1日に食べる草の量だ。

牛5頭=①、てことは、牛25頭=⑤、牛30頭=⑥になる。


25頭=⑤ ⇒ ④×10日=㊵

30頭=⑥ ⇒ ⑤×  8日=㊵


あれ、おかしい、牛25頭で⑤の草を食べているはずなのに元々の草の量を④しか減らせてないし、牛30頭で⑥の草を食べているはずなのに元々の草の量を⑤しか減らせてない

そうなんだ、⑤-④=⑥-⑤=①は1日に生えてくる草の量ってことなんだね。

まとめると


牛5頭が1日に食べる草の量=①

1日に生えてくる草の量=①

元々生えていた草の量=㊵


できました☆

牛10頭が1日に食べる草の量は


牛5頭=①

⇒ 牛10頭=②


で、1日に生えてくる草の量は①、差し引きすると②-①=①だけ元々生えていた草の量を減らすことができる。元々生えていた草の量は㊵だから


㊵÷①=40日


で草がなくなるんだ。きれいに並べてあげると下のような感じ。


25頭=⑤ ⇒ ④×10日=㊵

30頭=⑥ ⇒ ⑤×  8日=㊵

10頭=② ⇒ ①×40日=㊵


よって、答えは40日となる。

ちなみに、牛5頭が1日に食べる草の量が①で1日に生えてくる草の量も①だから、牛5頭だと元々生えていた草の量はまったく減らないんだね!


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