【 問題 】5年生向け
あるアイスクリーム工場は、アイスクリームの最大容量が1200個である冷凍庫を持っている。工場では毎分一定数のアイスクリームが生産され、冷凍庫にそのまま運びこまれる。また、アイスクリームの生産中は、ロボットを何台か使用して冷凍庫からアイスクリームを運び出す。それぞれのロボットが運び出せるアイスクリームの数は同じとする。
生産開始前の冷凍庫にすでに630個のアイスクリームが入っているとき、3台のロボットで運び出すと45分後に冷凍庫は空になり、1台のロボットで運び出すと95分後に冷凍庫はいっぱいになる。
(1) 毎分何個のアイスクリームが生産されていますか。
(2) ある日、生産開始前の冷凍庫に630個のアイスクリームが入っていた。この日は(1)の生産数から5個増やし、3台のロボットで運び出した。何分後に冷凍庫は空になりますか。
(3) 別のある日も、生産開始前の冷凍庫に630個のアイスクリームが入っていた。この日は(1)の生産数のまま3台のロボットで運び出したが、途中で2台のロボットが同時に故障した。1台のロボットで110分間運び出し続けたところで、ロボット1台だけが直った。それ以降はロボット2台で運び出したところ、合計370分で冷凍庫が空になった。ロボット3台で運び出していた時間は何分間ですか。ただし、途中で冷凍庫がいっぱいになることはなかった。
( 2024 慶應義塾湘南藤沢中等部 大問6 )
【 解答 】
長いよ、、問題文が。わざと意地悪してますか?(苦笑)、45分試験の最後の問題だし受験生はきつかったね。
ここまで4題のニュートン算を挙げてきた、その中でこの問題が1番長いけど1番易しい。いわゆるニュートン算ではあるのだけど数字が分かってるから解きやすい、ニュートン算崩れのような問題だ。
牛が草を食むニュートン算を思い出して欲しい、草の生える量も元々の草の量も牛が食む量も分からない尽くしだった、でも、この問題は最大容量1200個だったり元々が630個だったり残りが570個だったり数字を教えてくれてる。だから算数的には簡単なんだけど、本番で解けますか?となるとまた話が違ってくる、正答率は思ったほど高くないのでは。
湘南藤沢は45分で大問6題だからいかに簡単とは言え(言われるほど簡単じゃないしね💦)それなりのスピードが要求される、大問5までスムーズにやれた子はいいけど、大問5までで何かしら躓いてしまった子はこの大問6はメンタル的に無理だろう、緊張感ある中で焦ってしまうと読めないでしょ、頭に入ってこないよ。
この問題は「気づき」が要らないから難問ではないのだけど、設定条件が冗長で読むのが億劫になるから楽ではない問題だと思う、しかも最後だし疲れてるからね。
「気づき」が不要=問題文通りに解けばいいのだから5年生の学習に丁度良い、気づきの不要な長文問題は5年生で慣れておいた方がいいよ!
では、いきましょう。
(1)
またまた先に式を作っちゃうね。
3台 ⇒ 14個×45分= 630個
1台 ⇒ △6個×95分=△570個
どうだろう、この2式が解ければ(2)までいけちゃう。
ロボット3台だと45分で630個を運べる=冷凍庫のアイスを減らせるのだから、1分で14個(=630÷45)を減らせる。
ロボット1台だとアイスの生産数に追いつかなくて冷凍庫がいっぱいになってしまう、そう、つまり、冷凍庫からアイスを減らせるのではなく、その逆で、冷凍庫のアイスを増やしてしまうんだ。ロボットは冷凍庫からアイスを減らしたいのに、逆に増やしてしまってるから△をつけてある。ロボット1台だと95分で570個(=1200-630)増やしてしまうのだから、1分で6個(=570÷95)を増やす。
この14個減らせる、6個増やしてしまう、この差は何個だろう?そう、20個(=14+6)だ。弁償算みたいな感じだね。冷凍庫からアイスを減らすという処理能力が20個落ちた、その原因はロボットを2台(=3-1)減らしたからだ。
できました☆
ロボット1台の1分あたりの処理能力は
20÷2=10個
とわかる。
3台=30個 ⇒ 14個×45分= 630個
1台=10個 ⇒ △6個×95分=△570個
あれ、おかしい、ロボット3台で30個を減らせるはずなのに冷凍庫のアイスは14個しか減らせてないし、ロボット1台で10個を減らせるはずなのに減るどころか逆に6個も増えている。
そうなんだ、30-14=10+6=16個は1分あたりのアイスの生産数ってことなんだね。
よって、答えは16個となる。
(2)
ロボットの処理能力は変わらない。アイスの生産数を5個増やすってあるから16+5=21個にしたんだ。
まとめると下のようになる。
3台=30個 ⇒ 9個×□分=630個
3台の処理能力30個は変わらずアイスの生産数は21個になったのだから、冷凍庫のアイスを1分あたり30-21=9個減らせるんだ。
できました☆
9個×□分=630個
⇒ □=70
よって、答えは70分となる。
(3)
いつも通りのつるかめ算。まとめると下のようになる。
3台=30個 ⇒ 14個× A分= 14×A個
1台=10個 ⇒△6個×110分=△660個
2台=20個 ⇒ 4個× B分= 4×B個
3台と1台の14個と△6個は(1)と同じだね。
2台の処理能力は20個でアイスの生産数は16個だから冷凍庫のアイスを1分あたり4個(=20-16)減らせる。
110分は問題に書いてあって1台で110分だと減らせなくて、逆に、660個を増やしてしまうんだね。だから△をつけてある。
つるかめ算=消去算、だから、ここでは消去算でやってみよう。
A+B=260(=370-110)
A×14+B×4=1290(=660+630)
できました☆
Aを出せばいいのだから上の式を×4してBを消去してあげる。
A× 4+B×4=1040
A×14+B×4=1290
⇒ A×10=250
⇒ A=25
よって、答えは25分となる。
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