2024-12-16

ニュートン算4。

 【 問題 】5年生向け

あるアイスクリーム工場は、アイスクリームの最大容量が1200個である冷凍庫を持っている。工場では毎分一定数のアイスクリームが生産され、冷凍庫にそのまま運びこまれる。また、アイスクリームの生産中は、ロボットを何台か使用して冷凍庫からアイスクリームを運び出す。それぞれのロボットが運び出せるアイスクリームの数は同じとする。

生産開始前の冷凍庫にすでに630個のアイスクリームが入っているとき、3台のロボットで運び出すと45分後に冷凍庫は空になり、1台のロボットで運び出すと95分後に冷凍庫はいっぱいになる。

(1) 毎分何個のアイスクリームが生産されていますか。

(2) ある日、生産開始前の冷凍庫に630個のアイスクリームが入っていた。この日は(1)の生産数から5個増やし、3台のロボットで運び出した。何分後に冷凍庫は空になりますか。

(3) 別のある日も、生産開始前の冷凍庫に630個のアイスクリームが入っていた。この日は(1)の生産数のまま3台のロボットで運び出したが、途中で2台のロボットが同時に故障した。1台のロボットで110分間運び出し続けたところで、ロボット1台だけが直った。それ以降はロボット2台で運び出したところ、合計370分で冷凍庫が空になった。ロボット3台で運び出していた時間は何分間ですか。ただし、途中で冷凍庫がいっぱいになることはなかった。

( 2024 慶應義塾湘南藤沢中等部 大問6 )


【 解答 】

長いよ、、問題文が。わざと意地悪してますか?(苦笑)、45分試験の最後の問題だし受験生はきつかったね。

ここまで4題のニュートン算を挙げてきた、その中でこの問題が1番長いけど1番易しい。いわゆるニュートン算ではあるのだけど数字が分かってるから解きやすい、ニュートン算崩れのような問題だ。

牛が草を食むニュートン算を思い出して欲しい、草の生える量も元々の草の量も牛が食む量も分からない尽くしだった、でも、この問題は最大容量1200個だったり元々が630個だったり残りが570個だったり数字を教えてくれてる。だから算数的には簡単なんだけど、本番で解けますか?となるとまた話が違ってくる、正答率は思ったほど高くないのでは。

湘南藤沢は45分で大問6題だからいかに簡単とは言え(言われるほど簡単じゃないしね💦)それなりのスピードが要求される、大問5までスムーズにやれた子はいいけど、大問5までで何かしら躓いてしまった子はこの大問6はメンタル的に無理だろう、緊張感ある中で焦ってしまうと読めないでしょ、頭に入ってこないよ。

この問題は「気づき」が要らないから難問ではないのだけど、設定条件が冗長で読むのが億劫になるから楽ではない問題だと思う、しかも最後だし疲れてるからね。

「気づき」が不要=問題文通りに解けばいいのだから5年生の学習に丁度良い、気づきの不要な長文問題は5年生で慣れておいた方がいいよ!

では、いきましょう。

(1)

またまた先に式を作っちゃうね。


3台 ⇒  14個×45分= 630個

1台 ⇒ △6個×95分=△570個


どうだろう、この2式が解ければ(2)までいけちゃう。

ロボット3台だと45分で630個を運べる=冷凍庫のアイスを減らせるのだから、1分で14個(=630÷45)を減らせる。

ロボット1台だとアイスの生産数に追いつかなくて冷凍庫がいっぱいになってしまう、そう、つまり、冷凍庫からアイスを減らせるのではなく、その逆で、冷凍庫のアイスを増やしてしまうんだ。ロボットは冷凍庫からアイスを減らしたいのに、逆に増やしてしまってるから△をつけてある。ロボット1台だと95分で570個(=1200-630)増やしてしまうのだから、1分で6個(=570÷95)を増やす。

この14個減らせる、6個増やしてしまう、この差は何個だろう?そう、20個(=14+6)だ。弁償算みたいな感じだね。冷凍庫からアイスを減らすという処理能力が20個落ちた、その原因はロボットを2台(=3-1)減らしたからだ。

できました☆

ロボット1台の1分あたりの処理能力は


20÷2=10個


とわかる。


3台=30個 ⇒  14個×45分= 630個

1台=10個 ⇒ △6個×95分=△570個


あれ、おかしい、ロボット3台で30個を減らせるはずなのに冷凍庫のアイスは14個しか減らせてないし、ロボット1台で10個を減らせるはずなのに減るどころか逆に6個も増えている

そうなんだ、30-14=10+6=16個は1分あたりのアイスの生産数ってことなんだね。

よって、答えは16個となる。

(2)

ロボットの処理能力は変わらない。アイスの生産数を5個増やすってあるから16+5=21個にしたんだ。

まとめると下のようになる。


3台=30個 ⇒ 9個×□分=630個


3台の処理能力30個は変わらずアイスの生産数は21個になったのだから、冷凍庫のアイスを1分あたり30-21=9個減らせるんだ。

できました☆


9個×□分=630個

⇒ □=70


よって、答えは70分となる。

(3)

いつも通りのつるかめ算。まとめると下のようになる。


3台=30個 ⇒ 14個×  A分= 14×A個

1台=10個 ⇒△6個×110分=△660個

2台=20個 ⇒   4個×     B分=   4×B個


3台と1台の14個と△6個は(1)と同じだね。

2台の処理能力は20個でアイスの生産数は16個だから冷凍庫のアイスを1分あたり4個(=20-16)減らせる。

110分は問題に書いてあって1台で110分だと減らせなくて、逆に、660個を増やしてしまうんだね。だから△をつけてある。


つるかめ算=消去算、だから、ここでは消去算でやってみよう。


A+B=260(=370-110)

A×14+B×4=1290(=660+630)


できました☆

Aを出せばいいのだから上の式を×4してBを消去してあげる。


A×  4+B×4=1040

A×14+B×4=1290

⇒ A×10=250

⇒ A=25


よって、答えは25分となる。


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ニュートン算3。

【 問題 】5~6年生向け

ある学校では、文化祭を2日間行いました。2日とも、入場開始前の受付にすでに長い行列ができていて、入場開始後は5分ごとに100人の入場希望者が列に加わっていきました。

1日目は受付の数を7ヶ所にしたところ、入場開始から45分後に列に並んでいる人は10人になりました。

2日目は入場開始前の列が1日目よりも25人多かったので、受付の数を8ヶ所にしたところ、入場開始からちょうど20分後に並んでいる人がいなくなりました。

どの受付場所でも、5分ごとに受付のできる人数は同じです。

このとき、次の問いに答えなさい。

(1)1ヶ所の受付場所で、5分ごとに何人の受付ができましたか。

(2)2日目の入場開始前に列に並んでいた人は何人ですか。

(2012 桜蔭中学校 大問3)


【 解答 】

小学生がこの文章を時間制限のある中で理解しないといけない。5~10分くらいで解くんだから大変だよ。でも、大問5題のうちの1題だから考えようによっては美味しい問題かも知れないね、それに(1)が解ければ必然的に(2)もいけるしね。この問題を完答できた子は合格にぐっと近づいたと思うよ。

いわゆるニュートン算だけど一般的なニュートン算とはちょっと違う、何が?ていうと元々の人数が違うんだ。問題を見てみよう、2日目は1日目よりも25人多いと書いてあるね、しかも1日目は10人残したとある、ここが違う。元々の人数が違うと逆比が使えないから、正面からというか本質に着眼して解いていくことになる。

立式さえできれば一般的なニュートン算よりも理解は簡単だと思う。では、いきましょう。


もう先に式を作っちゃうね。


⑦×45=900+□-10

⑧×20=400+□+25


問題は長いのにこのたった2つの式を解いてしまえば点数がもらえちゃう。2012年の桜蔭と言えば今と同じく女子最高峰で日能研R4偏差値69だよ。やる気出てこないですか?

7ヶ所と8ヶ所の受付能力を⑦と⑧としたんだ、そう、つまり、受付1カ所が1分で受け付けする人数を①としたことになる(5分で①とした方が問題には忠実だけど、ここでは1分で①とするね)。

7ヶ所=⑦で45分だから⑦×45の人数を受け付けた。

8ヶ所=⑧で25分だから⑧×25の人数を受け付けた。

ここまではいいね。

7ヶ所のときは45分、8ヶ所のときは20分かかってる、5分ごとに100人増えると書いてあるから、並んできた人数は


5分=100人

⇒ 45分=900人、20分=400人


だね。

□は何かと言うと1日目に元々並んでいた人数だ。すると、2日目に元々並んでいた人数は□+25人だ、問題にそう書いてあるね。これは(2)で問われている人数だ。

注意しなきゃなのは、1日目は□人全員は受け付けできなかったとある、10人残してしまったと。だから、1日目に受け付けした人数は900+□-10人になるんだ、忘れずに10人減らしておこう。


⑦×45=900+□-10

⑧×20=400+□+25


⑦×45は1日目に受け付けた人数、それと等しいのが、並んできた900人+元々並んでいた□人-受け付けしきれなかった10人、てことになる。

⑧×20は2日目に受け付けた人数、それと等しいのが、並んできた400人+元々並んでいた□+25人、てことになる。


⑦×45=900+□-10

⑧×20=400+□+25

まとめると

⑦×45=890+□

⑧×20=425+□

上の式と下の式を比べてあげると、⑦×45と⑧×20の差が465(=890-425)と分かる。

⑦×45-⑧×20=465

⇒ ①=3


そう、①=3ということは、受付1ヶ所が1分で受け付けする人数が3人てこと、(1)では1ヶ所の受付が5分で何人受け付けしますか?と聞いてるから


3×5=15人


ということになる。(2)では2日目の元々並んでいた人数を聞いてるから□+25人を出してあげればいい。


①=3

⇒ ⑧=24


できました☆


⑧×20=400+□+25

⇒ 24×20=400+□+25

⇒ □+25=480-400=80人


よって、答えは(1)15人、(2)80人となる。


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