【 問題 】5年生向け
K中学陸上部で50m走のタイムを計りました。1年生19人の平均は8.4秒、2年生▢人の平均は7.7秒、3年生9人の平均は7.2秒、全体の平均は7.9秒でした。▢に入る数字はいくつですか。
【 解答 】
食塩水や平均などの問題において面積図や天秤図を使う・使わないの判断はどうやってするのか。
ざっくり言うと不完全が2つあると面積図的・天秤図的な発想が必要になる。
たとえば、この問題で言えば、2年生は人数が分かっていないから不完全、全体も人数がわかってないから不完全、不完全が2つあるから面積図的・天秤図的な発想が必要になる。
この平均の問題を小学生が
8.4×19+7.7×▢+7.2×9=7.9×(▢+28)
とはあまりやらないと思う。もちろんこれをサクッと立式できてサクッサクッと解けるのであれば頼もしいけど、それは要求すべきではないし実際にもしていない。
食塩水の問題でも、たとえば
4%150gの食塩水に10%▢gの食塩水を加えたら5%の食塩水になりました。
のような問題では面積図的・天秤図的な発想が必要になる。
10%の食塩水はgが分かっていないから不完全、5%の食塩水もgが分かっていないから不完全、不完全が2つあるからだ。
この食塩水の問題を小学生が
150×0.04+▢×0.1=(150+▢)×0.05
とはやらないだろう。
小学生は、▢=150×1/5=30、と暗算でやるんだ。
中学受験算数では、制約のある中で本質に迫る解き方を小学生なりに模索しているんだ。これらの思考はきっと中学高校、もちろん大学以降においても役立っていると思う。逆説的かも知れないけど、制約の中でこそ人は成長する。では、いきましょう。
ここでは、直接には面積図・天秤図を書かないでやってみる。
全体の平均は7.9秒。これより遅いのは1年生、速いのは2年生・3年生だ。
1年生はどれだけ遅いのか?
平均を基準にして1人あたり8.4-7.9=0.5秒遅いから、1年生全体では0.5×19=9.5秒遅いことになる。ということは、2年生・3年生全体では平均を基準にして9.5秒速いことになる。平均とは平らに均す、遅い分を速い分で均してあげるんだね。
1年生=9.5秒遅い
2年生・3年生=9.5秒速い
3年生は数字が分かってるね。1人あたり7.9-7.2=0.7秒速いから、3年生全体では0.7×9=6.3秒速い。
2年生・3年生=9.5秒速い
3年生=6.3秒速い
⇒ 2年生=9.5-6.3=3.2秒速い
できました☆
2年生は1人あたり7.9-7.7=0.2秒速い。2年生□人で3.2秒だから
0.2秒×▢=3.2秒
⇒ ▢=16
2年生は16人だ。
平均を基準にして遅いグループと速いグループに分けてあげて、そこでつり合いをとってあげる、そう、それを図示したら天秤図だね。
よって、答えは16となる。

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